ゾウリムシとキロモナス

キロモナスはゾウリムシと同じ、繊毛虫の仲間で、ゾウリムシを採集するときに
多くの場合、キロモナスも同時に採集されます。

 

キロモナスは、ゾウリムシと同じビール酵母や、きな粉などで増えます。
大きさはゾウリムシの約1/3です。

 

顕微鏡で観察したゾウリムシとキロモナス

 

キロモナスをメインで培養する人は少ない様で、ゾウリムシの様に
ネットを検索しても情報が少ないです。

 

実際ゾウリムシを野外採集して株として培養しようとする時に
キロモナスは結構邪魔な存在です。

 

キロモナスが邪魔な理由

 

ゾウリムシを野外採集すると、ほとんどの場合、キロモナスも入ってます。

 

ゾウリムシの数が少ないと、ゾウリムシを見つけられないのと
濾過する時に多少、ロスが出ます。

 

濾過を行う前に十分にゾウリムシが増える様に
きな粉などを入れて、あらかじめゾウリムシなどを増やしておきます。

 

私が採集を行う場所は、排水溝より出でた水からゾウリムシを
採集しています。

 

排水溝から出た水なので、やっぱり不潔です。
培養を行う前に浄化を行っています。

 

浄化は、負の重力走性を使った方法で行っています。
【参考】試験管で元の培養液からゾウリムシを単離する

 

コーヒーフィルターで濾過する方法もありますが、
圧着部分からゾウリムシが漏れることがあるので最近は
使っていません。

 

濾過後の培養液を見ると、ほとんどがキロモナスとなっています。
キロモナスの方が体が小さく、増殖スピードが早い様です。

 

ゾウリムシを株として培養する時は、キロモナスを排除しないと
キロモナスがメインの培養液となってしまいます。

 

ゾウリムシを濾過した後は、1匹を自作ピペットでつまみ
この1匹を株として培養する様にしています。
【参考】1匹単離でゾウリムシを培養液から分離

 

この1匹の株が十分増えた後は、ゾウリムシであるか確認するため
顕微鏡で、収縮胞が2つあるのを確認します。

 

と同時にキロモナスが混じってないか確認します。

 

この1匹だけを取り出すのが面倒な作業なので
ゾウリムシを培養しようとする場合は、キロモナスは邪魔だなと感じます。

 

 

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