エタノール、メチルセルロースでゾウリムシ動きを止める

 

目視や、USB顕微鏡などで容器の外から観察する時は良いのですが
スライドガラスに乗せて光学顕微鏡で観察する時、動きがネックになります。

 

100倍で観察しようとすると、一瞬で視野を通り過ぎてしまいます。

 

今回は、エタノールでゾウリムシの動きを止め
観察しやすくする方法を紹介します。

 

エタノールでゾウリムシ動きを止める

 

ゾウリムシは薄いエタノールを感じると
身体の周りある、繊毛を脱毛させます。

 

繊毛が脱毛する事により、泳ぐ事ができないので、動きが止まります。

 

しかし、全てのゾウリムシ脱毛するわけではなく
一部のゾウリムシは通常通り泳いでいます。

 

エタノール濃度が10%以上になると、ゾウリムシは死んでしまいます。
ゾウリムシが死ぬと、収縮胞が動かなくなり、余分な水分が排出できなくなります。
その後、パンパンに膨らみ、最後は細胞膜が破れてバラバラになってしまいます。

 

方法

 

ゾウリムシ繊毛の脱毛には、5%エタノールが使われています。
10%エタノール水溶液とゾウリムシの培養液を混ぜる事で
エタノール濃度、5%にします。

 

まず、10%エタノール水溶液を作ります。
無水エタノールの場合、ほぼ100%ですが、消毒用エタノールの場合
エタノールの濃度が約80%となっています。

 

無水エタノールの場合20mlの水に、2ml
消毒用エタノールの場合20mlの水に、2.5ml
の割合でエタノールと水を混ぜます。

 

水は、水道水は汲み置きなどで、カルキ抜きしておきます。

 

適当な容器に、同量のゾウリムシ培養液と、10%エタノール水溶液
を入れ、素早く混ぜます。

 

しばらく待ち、目視やUSB顕微鏡などで、動きが止まったゾウリムシを
確認できたら、ピペットなどで、スライドガラスに移し観察します。

 

エタノール水溶液に入れ続けていると、ゾウリムシが死ぬ可能性があるので
なるべく早めに観察すると良いでしょう。

 

注意点

 

エタノール水溶液にゾウリムシを入れ続けていると、ゾウリムシが死ぬこと多いので
培養に使う事はなく、廃棄します。

 

エタノール水溶液から、エタノールが含まれない水に移した場合
繊毛が再生し、ゾウリムシが復活する様です。

 

メチルセルロースでゾウリムシ動きを止める

 

メチルセルロース水溶液は、粘度があるので
ゾウリムシの動きを遅くする事ができます。

 

遅くする事はできますが、完全に止める事はできません。

 

方法

 

エタノールと同様に、メチルセルロース水溶液を作ります。

 

20mlの水に、メチルセルロース0.5gを混ぜ合わせ
2.5(w/v)%のメチルセルロース水溶液を作ります。

 

ネットで検索すると、濃度は、様々ですが
私は2.5%のメチルセルロースを使っています。

 

メチルセルロースはとても、ダマになりやすいので
よくかき混ぜ、少しずつ入れると良いです。

 

それでも、ダマになってしまった場合は、一晩程度冷蔵庫に入れておくと
ダマが無くなります。

 

メチルセルロース水溶液と、ゾウリムシ培養液をスライドガラス上で
適量混ぜ合わせ観察します。

 

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