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簡易的なゾウリムシ密度の確認方法
ゾウリムシの数を確認するには、以下の方法があります。
100μLをピペットなどで取って、飽和ピクリン酸や塩化ニッケルなどで麻酔をして
ゾウリムシの動きを止めます。
動きがとまったら、顕微鏡や、虫眼鏡などで、細胞数を数えます。
この場合、数えた細胞数✕10が、1mLあたりのゾウリムシの数になります。
サンプリングエラーを防ぐため、3回程度行い平均値を出します。
一般家庭では麻酔薬が入手困難
学校や研究施設なら可能かもしれませんが、
一般家庭では塩化ニッケルや飽和ピクリン酸などの試薬の入手が困難です。
また、密度が高い培養液をそのまま観察すると、
多数の細胞は右往左往していて数を数えることができません。
私が考えた簡易的な確認方法では、培養液をそのまま観察するのではなく、
希釈して、ゾウリムシの数を少なくする事で観察しやすくします。
デメリットは、精度が下がるのと、サンプリングエラーも発生しやすくなる事です。
簡易的なゾウリムシ密度の確認方法
ゾウリムシの培養液の採取や希釈する水の計量には、マイクロピペットを使用します。
私の使用しているマイクロピペットは100~1000μLですが、一応50μLも使えます。
使用するもの
- マイクロピペット
- マイクロチューブ
- スライドガラス
- ルーペなど
代用品でもOKです。
マイクロピペット
50μLの少ない量を、採取や軽量するので、マイクロピペットなどがあったほうが良いですが
スポイトなどでも代用可能です。
ただ採取量や、希釈する水の水量、観察時の水量などが正確でないと
精度が落ちます。
マイクロチューブ
扱う量が少ないので、マイクロチューブの方が良いですが、
ペットボトルのフタなどでも代用可能です。
撹拌してゾウリムシを均等にするので、できればフタができるモノが望ましいです。
スライドガラス
ゾウリムシを観察できれば良いので、スライドガラスでなくても
適当な大きさに切った透明なプラスチック板で代用可能です。
ブリスターパックのプラスチックが、ハサミで切りやすいのでおすすめです。
ルーペなど
研究機関などでは、実体顕微鏡で観察する様ですが、無いので
ルーペなどで代用します。
私は、ダイソーなどで売られているスマホ用のマイクロレンズを使用しています。
方法
マイクロピペットで培養液を50μL、マイクロチューブに入れます。
この時目視やルーペなどで観察し、密度が低ければ、そのまま観察します。
密度が高ければ、
マイクロピペットで水を50μLずつマイクロチューブに入れ、希釈します。
この時、マイクロチューブを観察し、濃度によって希釈量を変更します。
濃度が高い場合は、合計500μLぐらい水を希釈します。
撹拌して、液内のゾウリムシを均一にします。
ボルテックスミキサーでは均一にならなかったので、マイクロチューブを上下に10秒程度振って
撹拌しました。
マイクロピペットでマイクロチューブの希釈培養液を50μL取り出しスライドガラスに乗せます。
複数サンプリングする場合は、撹拌→採取→撹拌→採取→撹拌→採取
の順に行ってください。
この時の細胞数が7匹として、採取量が50μL、希釈水量が450μL、
スライドガラスに乗せた量(観察水量)が50μLとした場合、ツールで計算すると、
1mLあたり1260匹となります。
【ツール】簡易ゾウリムシ密度計算ツール
まとめ
私の場合は、2サンプルを3回ずつ計6回行い、その平均を出すようにしています。
ある程度の密度を知ることで、ゾウリムシの浄化や濃縮の効果を測定できるようになります。